TOKYO FMの特別番組「村上RADIO」11月28日(日)
の放送は「村上RADIO~村上の世間話~」を
お届けしました。
村上さんの身に起きた最近の話から、
お店を訪れたときのエピソード、車にまつわる話まで
さまざまな世間話を、村上DJの絶妙な選曲ととも
にお送りしました。世間話では、長編小説『1Q84』
の創作に関わる“あるエピソード”も披露しました。
世間話(4)そば屋の話
ときどき行くおそば屋でカウンターに座って、
お酒を飲んでいたんです。麦焼酎のそば湯割り。
軽くつまみをとって。いいですよね、そういうの。
そうしたら僕の3つくらいとなりの席に
男女の客がいまして。男は40代、女性は20代後半くらいで、
どういう間柄かは知りませんが、ずっと本の話をしていました。
で、まあ聞くつもりもなかったんですが、
声が勝手に耳に入ってくるもので、
まあしょうがなくて聞いていたんです。
そうしたらそれが突然、僕の話になりまして、
そのあと延々と僕の本の悪口なんです。
「これは困ったな」と思ったんだけど、
そこでへたに動くと目立つし、注文した料理も
まだ出てこないし、しょうがなくて、片肘ついて
顔を隠しつつ、じっとおとなしくしていました。
こがどれほどつまらないか、連れの女性に
こんこんと言い聞かせているんです。
でもまあ、それはいいんです。
作品を批判されるのは当然のことだから。
褒められることもあれば、けなされることもあります。
でも途中でふと気がついたんだけど、その人、
僕の小説をほとんど全部読破していて、しかも
実に細かいところまで中身を覚えているんです。
「それほど嫌なら、そんなにみっちり読まなきゃいいじゃないですか」とか、そばから突っ込みたくなるんだけど、まあ、そんなこともできないですし、いったいなんなんでしょうね? あまりにも嫌いだから、つい手に取って熱心に読んじゃうんでしょうか。それとも愛憎、表裏一体なのでしょうか?
とにかくそういうシチュエーション、ほんとに疲れます。
おそば、食べた気がしなかったです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4124eab4f2ab909bd3d8d6d8a1976c2b851c120
引用元: http://2ch.sc/
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Source: 美味しい毒
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