世間の不平等配信チャンネルです。
今回は30歳過ぎでマッチングアプリを利用している女性のお話です。
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以下、忙しい人向けの台本です。
こうたさんとランチデートする日、いよいよ明日だね!緊張するなぁ!
僕も緊張してます。でも、ゆかこさんに会えるの楽しみ!
私はゆかこ。先月31歳になった。2年前に3年程付き合っていた元彼と別れてからはずっとフリーの状態が続いている。元彼と別れたのは彼との将来に不安を感じたからだ。凄く私重いの優しい人だったけど、給料は安いし頼りない。自分の将来のことを考えて、思い切って別れる決断をした。
自慢ではないが、20代の頃は割とモテていて男に困ることはなかった。だから、29歳で元彼を振った後もすぐに彼氏ができるだろうと楽観視していた。だけど、出会いの場に行ってもチヤホヤされるのは周りの若い女ばかり。焦った私はマッチングアプリに登録。すると、すぐにいろんな男からいいねされた。「ほらね。私まだまだいけるんじゃん」と凄く嬉しくなった。マッチングアプリを始めてから何人かの男と実際にデートをしたりしてみたけど、明らかに体目的だったり、貧相な人だったりと元彼以下の人ばかり。なかなか自分好みの男性と出会えないまま、31歳までフリーのままだ。
そんなときにアプリで出会ったのが明日初デート予定のこうたさん。27歳のサラリーマン。年収もそこそこで優しい感じの人。年下という点で頼りやすさに若干の不安があるけど、他の条件はまずまずだし、この人なら私とある程度釣り合いそうだと1ヶ月ほどやり取りをしている。
明日は黒色のベレー帽に紫のパーカーを着ていくね!
わかりました!じゃあ僕は白の襟付きシャツを着ていきますので、目印にしてください!
オッケーです。じゃあまた明日!
はい、よろしくお願いします!
そして、初デートの日を迎えた。
そろそろ待ち合わせの時間ね。こうたさんはもう駅に着いたかしら?
すみません!ゆかこさんですか?
はい、そうです!…あ。
声をした方向を見ると、そこには真面目そうなさえない男がこちらに向かって手を振っていた。
良かった!無事に会えましたね!
え、ええ。そうですね。
じゃあお店にいきましょうか?夜はバーなんですけど、ランチタイムではイタリアンが楽しめるお店なんですよ。気に入ってもらえると嬉しいです。
あ、はい。そうなんですね。
私はこの時点でかなりテンションが下がっていた。こうたさんは私のタイプとは真逆の真面目そうな男だったからだ。あー、今日もハズレか。こんな地味な男。私の好みじゃないんだよね。
どうですか?いい雰囲気のお店でしょ?
ええ、そうですね。
お店に着いて、ランチのメニューを見ながら早く時間が過ぎるのを待つ私にやたら話しかけてくるこうたさん。
ゆかこさんはどんな食べ物が好きなんですか?
まぁ、ある程度何でも食べられますよ。
そっけない返しをする私。頭の中ではマッチング済の別の男のことを考えていた。
あーあ、とっとと解散して、またマッチングアプリでいい男を探したいなぁ。
むぅ…。
ん?何か?
いえ、じゃあ注文しましょうか。僕はAセットにします。
じゃあ私はCセットで。
何となく不穏な空気が流れ始め、話の続かない時間が過ぎていった。その空気は料理が来てからも変わらず、お互いに黙々とそれぞれが注文した料理を食べていた。
料理を注文してからも、料理が運ばれてきてからもこうたさんは色々と話をしてくれていたが、はっきり言ってこうたさんの話などほとんど聞いていなかった。そんな私の気持ちがこうたさんにはしっかり伝わっていたようだ。
あの、ゆかこさん、僕の話聞いてますか?
え、あ、すいません。なんでしたっけ?
はぁ。ゆかこさん、あなたって失礼な人ですね。
え?
突然こんなことを言われ、驚きのあまり怒るどころかただ呆然としてしまった。
自分のタイプではない人と二人で食事をするのがそんなに苦痛でしたか?
え?いや。全然そんなつもりは…。
何故こんなことを言われなきゃいけないのかよくわからなかった。
な、なぜそんなことをいうんですか?
ゆかこさん、ご自分では気がついていないのかもしれませんが、あなたの考えていることがそのまま顔や態度に現れてますよ。昨夜のメッセージのやり取りまではノリノリだったのに、会った瞬間からさまに表情が曇っていたし、何を話していてもなま返事しか帰ってこない。
え、えーと。それはなんというか、あの。
じゃあ僕の話、何か一つでも覚えていますか?
い、いえ。ごめんなさい。
ですよね。確かに僕はかっこよくないですよ。僕もそれなりに婚活してきましたから、相手の顔を見れば脈があるかどうかは大体わかります。ゆかこさんの様子を見ていれば、ゆかこさんにとって僕は好みではなかったということぐらいすぐにわかりますよ。
ま、まってください。わたしはそんなつもりじゃ。
でもね、あなたと僕が出会ったのも何かの縁だと思ってます。脈がないとしても、せっかくのデートなんだから、今日はお互いに楽しめる日にようにしようと思って、僕なりに精一杯頑張って笑顔で話をしていたつもりです。
それなのにあなたはどうですか?駅で待ち合わせをしてからずっと口数が少なくて、僕が何を話しても何を質問しても上の空な返答しかしなくて。
う。
ゆかこさんには少しでもこの場を和ませようと言う気持ちがありましたか?楽しい時間にしようと思ってくれてましたか?当たり前ですけど、こういうのって相手がいるんですよ。
確かにあなたは綺麗な人ですよ。きっと20代の頃はモテモテだったんだと思います。でも僕からすると、それだけです。
!
あなたとマッチングをしたとき、メッセージのやりとりをしている時、僕はあなたのことをとても素敵な人だと思っていました。こんな人とお付き合いできたらきっと楽しいだろうなって。でもそれは間違いだったみたいです。
ゆかこさんにとって僕が自分の好みの男じゃなかったとしても、会っている時ぐらいは良い雰囲気づくりをしていくっていうのが大人だと思います。
でもあなたはそんなそぶりも見せなかった。今日のデート、僕はとても楽しみにしていたので、すごく残念です。
ちょ、ちょっとまって!
いいえ、もう結構です。こんなことになってしまいましたが、失礼なことを言ったのは謝ります。お詫びにここは僕が支払いますから、どうぞゆっくりしていってください。それでは。
こ、こうたさん。
それだけ言うと彼は会計を済ませてお店を後にした。彼の一言一言がすべて図星だった。
彼にいろいろといわれて、初めて自分の愚かさに気がついた。20代は女というだけで男にチヤホヤされていた。年齢だけでモテていたのに、当時の私は自分が魅力的な女だと勘違いをしていた。自分の考えの誤りに気がつかず、今までわがままに男性と接してきていたのだ。30歳を過ぎてしまえば、モテ要素が一つなくなり、20代の頃よりも中身が大事になってくる。そのことをよく考えず、「自分はモテるからまだ大丈夫。私は他の女とは違う」と思ってしまった結果、今の自分を客観視できていない残念な私が完成してしまっていた。
こうたさん、昨日は不愉快な気分にさせてしまってごめんなさい。こうたさんに指摘されるまで自分がどれだけ自己中心的だったかわかってなかった。当たり前のように自分の損得だけで男性を見ていた。それが男性に対して失礼な態度として表れていたということもわかっていなかった。こうたさんのおかげで自分の至らない点に気づくことができた。はっきりと言ってくれてありがとう。
こうたさんのおかげで自分の至らない点に気づくことができた。はっきりと言ってくれてありがとう。
このあと、こうたさんから返信があるかはわからない。でも、昨日のお詫びと感謝の気持ちだけはどうしても伝えたかった。
こうたさんのおかげで、31歳でやっと自分に足りないものに気がつくことができた。正直言ってこの歳での婚活はなかなか厳しいものがあると思ってる。それでも、私はやっぱり幸せになりたい。自分の条件を一方的に押し付けるのではなく、互いに切磋琢磨し合える相手と出会えることを信じて、心機一転婚活を頑張ろうと思う。こうたさんも素敵な女性と出会えますように。
ご視聴ありがとうございました。よろしければ、チャンネル登録やコメントをしていただけるととても嬉しいです。また次回の動画でお会いしましょう。
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