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コロナ禍で心の隙間を埋めたいという気持ちを悪用した投資詐欺が増えています。外国人を名乗る人物から多額の現金をだまし取られた男性が明かす詐欺被害の実態とは。
詐欺の被害にあったのは、愛知県内に住む60代の男性です。男性は、スマートフォンの出会い系アプリを利用していました。
「出会い系アプリから、詐欺に発展するとは全く想像していなかったですね。約3200万円のいわゆる詐欺ということになります」(被害にあった愛知県内の60代男性)
男性は、出会い系アプリで「台湾人の女性」を名乗る人物と知り合いました。女性からのメッセージは…。
「理想的な男性です。コロナが終わって好転したら一緒に北欧のノルウェーに遊びに行きたいです。好きな人と好きなことをしたい」(台湾人の女性を名乗る人物のメッセージ)
好意を寄せるかのようなメッセージの数々。愛知県で、新型コロナの「厳重警戒措置」が出されていた、今年3月の出来事でした。
「ゴールドが好調で3万5千ドル稼ぎました」
男性によると、この女性を名乗る人物は、美容エステ店を経営しているとしていたそうです。
「コロナの影響で実店舗も日常的な出費しか維持できません。私の収入の大部分は他の投資収益からきている」(台湾人の女性を名乗る人物のメッセージ)
女性が収入を得ているという「投資収益」とは?
「たった今FXを見ましたが今はゴールドが好調です。3万5千ドルを稼ぎました」(台湾人の女性を名乗る人物のメッセージ)
外国為替証拠金取引、いわゆる「FX」です。男性は、女性を名乗る人物に進められるがままに、紹介された投資会社に口座を作り、投資を始めました。
「最初は100万円ですね。それが増えていって、500万円、1000万円と。父親から700万円借りて振り込んだ」(被害にあった愛知県内の60代男性)
女性からの要請はエスカレート
その後も、女性からの要請はエスカレートします。さらに追加の現金を要求されたため、男性は、あやしいと気付き、断りました。
すると、これまで投資に使っていた口座からの現金の出し入れが出来なくなってしまったのです。
「愕然としましたね。それまでは利益が出ているから、喜んでいたわけですよね。最終的に出金できなくなるそういう手口です」(被害にあった愛知県内の60代男性)
男性が出会い系アプリを始めたきっかけは、退職後、新型コロナで感じた「寂しさ」にあったそうです。
「退職して暇ができたので、女性と話して楽しく過ごしたいなと思い始めた。出会いができたらお茶でも飲めればなという程度」(被害にあった愛知県内の60代男性)
投資被害の相談は倍増
愛知県や市町村の消費生活相談窓口には、こうした投資被害の相談が、2019年度の42件に対し、2021年度は96件とすでに倍以上に増えています。
このうち、出会い系アプリで知り合った人から勧誘されたケースが7割にも上っています。
このような詐欺が今増えている背景について、投資トラブルに関する事件を多く手がけている正木健司弁護士はこう分析します。
「コロナ禍で交流する機会が減っているため、マッチングアプリや出会い系アプリの需要は高まっていると思う。別の収入減を投資によって得たいと考えている人が結構いると思う」(名城法律事務所 正木健司弁護士)
貯金はすべてゼロになった
被害にあった男性は、さらに同じ時期に、韓国在住のイギリス人女性を名乗る人物からも同じような勧誘を受けていました。
こうして男性は、外国人の女性を名乗る2人に、総額約3200万円をだまし取られてしまったということです。
「今まで貯金して一生懸命働いてためたお金ですね。私の貯金はすべてゼロになり、父親の貯金は多少残っていますが大変な状況です。非常に悔しいのと悲しいのと怒りと入り混じった複雑な心境」(被害にあった愛知県内の60代男性)
「安易に金を、会ったことも話したこともない人物に送金しないことが重要」(正木弁護士)
男性は、警察に被害届を提出。警察は、詐欺事件として調べています。
(7月14日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
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